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空き家に野生動物が住み着くリスク

  • 執筆者の写真: 一関解体工房コワスモ
    一関解体工房コワスモ
  • 10月29日
  • 読了時間: 8分

岩手県南・宮城県北の皆様、こんにちは。一関解体工房コワスモです。

「空き家に野生動物が住み着いた…しかも最近は熊も市街地に出没していると聞くし、自分の物件も大丈夫かな?」といったご不安をお持ちの方へ、今回は 空き家に野生動物(特に熊)が住み着くリスク を、最新の出没・被害状況とともに解説いたします。この記事を読むことで、

  • 空き家に動物が住みつく理由とそのメカニズムが分かる

  • 最近増えている熊の市街地出没と空き家所有者が取るべき対応が分かる

  • 岩手県一関市・平泉町・奥州市・陸前高田市、宮城県気仙沼市・登米市・栗原市における地域特性を踏まえた管理ポイントが分かる。特に、空き家を所有していて「定期管理をしていない」「野生動物が出てきたかもしれない」と感じている方、また、相続で空き家を抱えて管理が滞っている方に読んでいただきたい内容です。


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なぜ空き家に野生動物が住みつくのか


野生動物が空き家を選ぶ理由

人の出入りが少ない、手入れが滞っている空き家は、野生動物にとって「安全で静かな隠れ家」になります。例えば、屋根裏、床下、壁の隙間、換気口など、人の目が届きにくい「人の気配が薄い場所」がある建物では侵入・巣作りに適しています。また、敷地内に植栽が伸び放題だったり雑草が生い茂っていたりすると、野生動物には隠れ家・通路になり得ます。さらに近くに山・林・川など自然が多ければ、動物の生活圏と人の居る建物との接点が近くなるため侵入リスクが高まります。当社でも実例として、奥州市のある空き家で換気口の金網が破れており、そこからハクビシンが侵入し、屋根裏に巣を作っていたケースがあります。人が長期間入っていないと、動物が安心して「ここなら住める」と判断してしまいます。


住みつきやすい動物の種類

空き家でよく見られる野生動物・害獣には、次のような種類があります。

  • ネズミ(ドブネズミ・クマネズミなど)- 床下・天井裏・壁の隙間を通って配線をかじったり、湿気の多い場所に巣を作ったり。

  • ハクビシン- 夜行性で、屋根裏・天井裏を住処にして、フン尿を一定箇所にためる習性があります。

  • アライグマ- 非常に器用で、屋根裏・床下・換気口から侵入し、断熱材を巣材に使うこともあります。

  • タヌキ- 見た目は穏やかですが、屋根裏や床下に入り込むと配線や断熱材をかじって被害が出ることがあります。


最近では、特に人里近くで出没が報じられているのが ツキノワグマ(以下「熊」と記述)です。熊が人の住むエリアに下りてきて、住居や空き家の敷地まで立ち入るケースが増えており、空き家所有者として無視できない状況になっています。



空き家に野生動物が住みついた際の主なリスク


建物損傷のリスク

野生動物が住みついた空き家では、屋根裏・壁・床下など構造に大きなダメージが発生します。例えば、ハクビシンが屋根裏に糞尿を溜めると、天井材が腐食し、最悪の場合「天井が抜ける」こともあります。ネズミが電気配線をかじる場合、火災リスクが飛躍的に高まります。実際、当社が支援した宮城県栗原市の空き家では、アライグマが断熱材を引き裂いて住み着き、修繕費用が約80万円かかった例があります。こうした損傷・修繕コストは、放っておけば放っておくほど増大し、空き家の価値を大きく下げてしまいます。


衛生・健康被害のリスク

野生動物の糞尿・抜け毛・ダニ・ノミ・寄生虫といった衛生面の問題も深刻です。例えば、ハクビシンの排泄物には雑菌・ウイルス・ノミ・ダニなどが含まれている可能性があり、空き家内部に広がると清掃・殺菌費用が嵩むことがあります。さらに、こうした害虫や悪臭、動物が敷地から出て近隣に影響を及ぼした場合、所有者が近隣への損害賠償責任を問われるケースも生じています。衛生環境の悪化は、見えにくいが確実に資産価値を毀損します。


資産価値の低下・近隣トラブルのリスク

野生動物が住みついた空き家では、騒音・悪臭・建物劣化・景観悪化などが重なり、「売りにくい」「貸しにくい」物件になる可能性があります。特に、夜間に天井裏から物音がしたり、動物の足跡が敷地内にあったりすると、近隣住民の安心感が損なわれ、地域のイメージダウンにも繋がります。こうした状況では、近隣トラブルとして苦情が入るケースもあります。所有者として早めに対策を講じることが、結果的にトラブルを未然に防ぎ、資産価値を守ることに繋がります。


法的・行政的リスク

空き家が著しく管理されていない状態だと、空家等対策の推進に関する特別措置法(通称「空き家特措法」)に基づき「特定空家」に指定される可能性があります。指定されると、固定資産税の住宅用地特例が取り消されて税額が増えたり、改善命令が出されたり、最終的には行政代執行により所有者に代わって解体されることもあります。熊などが住みついた空き家は、この「特定空家」の認定要因になり得るとされています。こうした法制度リスクも、所有者が無視できないものです。



最近、問題になっている熊の市街地出没と空き家管理への影響


熊の市街地出没の最新状況

近年、熊の市街地出没が全国的に深刻化しています。例えば、2025年1月から5月にかけての全国での熊の出没件数は、過去最高水準に達したと報じられています。 特に岩手県では792件で全国最多となり、秋田県も629件と急増しました。さらに、住宅地への侵入・居座りの事例も増えており、例えば住宅の自動ドアから内部に入った熊が、血の跡が残った状態で駆除されたケースも報じられています。また、市街地での熊の出没・居座りによって、イベントが中止になるケースもあります。例えば、2025年7月に開催予定だったゴルフ大会が熊の目撃により開幕日を中止したことが報じられています。専門家は、熊が人里近くへ降りてくる原因として、山林内の餌(例えばドングリ・橡実など)の不作や異常気象による食糧不足を挙げています。このような背景を踏まえると、空き家を所有する地域(特に自然豊かな岩手県南・宮城県北)では、熊が「食べ物・隠れ場所・侵入経路」を探して、空き家近くまで活動エリアを拡大している可能性が高いと言えます。


空き家所有者にとっての意味合い

熊が市街地や人里近くに出没するということは、空き家所有者にとって次のような意味を持ちます

  • 空き家の敷地・建物自体が「隠れ家候補」になりうる。特に屋根裏・換気口・床下・窓の隙間などがあれば、熊が侵入可能な経路となる。

  • 熊にとって「人の気配が少ない場所」「常時使われていない建物」は慎重な侵入先候補となるため、空き家管理の放置が熊被害を招く可能性が高まる。

  • 熊が住みつくような状態になると、前段で述べた「建物損傷」「衛生被害」「資産価値低下」「行政リスク」が一気に高まる。特に熊の場合、人的被害・近隣の安全リスク・大規模な建物損傷まで想定されるため、対応を後回しにできません。

  • 自然と近接する地域では、熊の活動圏との接点が多いため、通常よりも一層早めの「侵入防止」「定期管理」「周辺の植栽・敷地整理」が重要となります。


熊被害を避けるための追加対策

熊の出没リスクを踏まえて、空き家管理において次のような追加対策をおすすめします:

  1. 敷地周辺の植栽・雑草を放置せず、定期的に刈り込みを行う。夜間/早朝の敷地内明かり対策(人が入ったような演出)も有効です。

  2. 換気口・天井裏・床下換気口・雨どいなど熊が通りそうな経路を金網・板・防侵策で強化する。熊は非常に器用であるため、「ネズミ用」程度の補修では不十分なケースがあります。

  3. ゴミ・残飯・柿などの果樹を敷地内に放置しない。熊は食べ物の匂いに敏感であり、少しの餌となるものでも誘引源となり得ます。

  4. 定期的な巡回・点検を月1回以上実施し、夜間や早朝にも敷地周辺の足跡・新しい被害痕・異物・糞尿などを確認する。

  5. もし既に「熊が住みついたかもしれない」「異音・糞・足跡がある」などの兆候があれば、速やかに専門業者・野生動物対応機関に相談し、被害拡大前に対応を検討する。熊の住処化が進むと、修繕・撤去費用が非常に大きくなる可能性があります。



岩手県南・宮城県北における空き家管理の視点


地域特性と野生動物(熊含む)リスクの関係

岩手県一関市・平泉町・奥州市・陸前高田市、宮城県気仙沼市・登米市・栗原市は、山・林・川・海など自然環境が豊かな地域が多く、野生動物の活動圏が住宅地に近接しているという特徴があります。例えば、山林から数百メートルの距離に空き家が存在するエリアでは、熊・タヌキ・ハクビシン・ネズミなどが侵入しやすい環境が整いやすいです。また、傾斜地の多い地域や人があまり通らない住環境では、物件が「人の気配が少ない」と認識されやすいため、空き家として放置されていると侵入リスクがさらに高まります。私どもでは、地域における空き家巡回時に「近くの山林からのルート」「隣接する竹藪」「川沿いの敷地かどうか」なども確認項目に入れています。所有者様には特に、「自然との境界」「人通りの少なさ」「建物の使われていない時間の長さ」を意識していただきたいです。



まとめ

空き家に野生動物が住み着くと、建物の損傷、衛生・健康被害、資産価値の低下、近隣・地域トラブル、そして法的・行政的なリスクが連鎖的に発生します。特に、熊が市街地・人里近くに出没するリスクが近年高まっており、自然に隣接する岩手県南・宮城県北の空き家所有者には「熊も来るかもしれない」という視点で建物管理を行うことが重要です。所有する空き家を守るためには、

  • 定期的な巡回・点検を確実に行う

  • 侵入経路の遮断・植栽・敷地整理など物理的対策を講じる

  • 被害が出ている場合、専門家に早期相談・対応を依頼する

  • 管理が困難なら、活用(賃貸・駐車場等)や処分(解体・更地化)も含めた検討を行うというステップを段階的に実施することが不可欠です。


もし、空き家に関して「野生動物の痕跡があるかもしれない」「どう管理すれば良いか分からない」とお悩みなら、ぜひ私たち一関解体工房コワスモまでお問い合わせください。お見積もりは無料で、現状の無料相談から対応可能です。


今後とも、地域の皆様の安心・安全な建物管理をサポートしてまいります。

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